2019年5月9日木曜日

北斎描く「神奈川沖浪裏」は「モナリザ」に並ぶ世界的な傑作 (2017.9.19)

ロンドンの大英博物館で開催された葛飾北斎の特別展では富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」(かながわおきなみうら)が「モナリザ」と並ぶ世界的名画と評されました。














NHKテレビの歴史秘話ヒストリア「世界が驚いた3つのグレートウエーブ」では特別展の模様を紹介していました。

そのなかで、北斎に扮したイッセー尾形が、大波を描くまでの苦闘を演じています。浮世絵師・葛飾北斎になりきった立体感のある演技力に、さすが、舞台で培った一人芝居の第一人者であると感服しました。

北斎が納得できる波を描けるまでには40年の歳月がかかり、「神奈川沖浪裏」のグレートウエーブを描いたときは72歳だったそうです。

ところで、「神奈川沖浪裏」は大波と富士山に注目が集まっていますが、波間に浮かぶ押送舟には光が当てられていないようです。

少し前になりますが、私はその押送舟をモチーフに、短編小説「活鯛御用を書いて電子書籍出版しました。

「神奈川沖浪裏」の押送舟は、江戸から木更津へ向かう帰り舟と推察しました。江戸城に納める活鯛を無事届けた押送舟が荒波をついて、妻子の待つ木更津浦へ帰るという情景が浮かんだのです。

そこで、小説では木更津浦に課せられていた「活鯛御用」という設定で、江戸へ活鯛を届けるまでの往路の押送舟を描きました。

英国で浮世絵「神奈川沖浪裏」が「モナリザ」に匹敵する世界的な傑作と評価されていることに改めて驚きました。


追記(2019.5.18)

新1000円札の裏側に、この「神奈川沖浪裏」が使われることが決まり良かったです。

ひと仕事を終えた押送舟が、荒波をものともせず、妻子の待つ木更津へ帰るこのシーンは、男たちの勤勉さを表していて、これから一番使われる1000円札にふさわしい選択だと思います。
令和の日本人の勤勉さを象徴させるものです。


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NHK大河ドラマ「真田丸」を見終わって(2016.12.19)

今年の世相を表す漢字一文字は「金」に決まりました。
そこで、最終回を迎えた「真田丸」を漢字一文字で表わすとしたら、「虚」ということでしょうか。
敗者となった幸村は自刃し、金に象徴される秀吉の大坂城は落城して、あとには「虚」が漂います。

最終回にはサブタイトルが付けられていませんでしたが、どうやら、これはドラマの最後を象徴していたように思えました。

前回の「前夜」を見終わったところで、大坂城内での動きに虚しさが感じられ、あと一回の最終回でどう着地させるか、興味深く見ていました。

幸村は事あるごとに「望みを捨てなかった者にのみ、道は開ける」と、豊臣方の者たちを諭していたのに豊臣政権は崩壊し、矛盾した結果に終わってしまいました。

登場する人物のなかでは、現代的なセリフのきりという女性に、最初は違和感を感じましたが、回を重ねるうちに慣れて、面白く拝見しました。

ところで、きりと幸村との関係は、幼なじみの同志だと見ていましたが、淀君の前で彼女に”腐れ縁”と言わせたことで、きりの存在にも虚しさを感じてしまいました。















このきりの存在が、最終回に感じた虚しさを増幅させたように思えます。

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2019年5月6日月曜日

NHK大河ドラマ「真田丸」は毎回見ています (2016.6.3)

大坂の陣は、まだこれからで秋になるようですね。
大坂の陣では陸上での戦いが中心に描かれると思いますが、海上での戦いもあったのです。

ご存知のように大阪城は水路に囲まれ、あちこちに砦が築かれていました。そのため、大坂冬の陣では豊臣方への兵糧を絶つため、幕府方は海上封鎖が必須でした。

その任に当たったのが幕府水軍(向井・小浜・千賀)や九鬼水軍などです。その陰には知られざる海の物語がありました。

そのときの物語を掘り起こし、私は歴史時代小説「遅れてはならじ」(電子書籍)を書き上げましたので、ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

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2019年5月5日日曜日

真田丸に登場の女性が漫画チックでは? (2016.1.20)

NHK大河ドラマ「真田丸」が、第2回 「決断」で視聴率20%を越え、まずまずのスタートのようです。



























動きがダイナミックで、場面のテンポもあって、戦国武将の揃い踏みといった感もあり、これからの展開が楽しみです。

ただ、登場する女性たちの描き方が、ちよっと浅薄(せんぱく)ではないですか。

真田兄弟一行が新府城を脱出し、岩櫃城へ向かう途中、百姓に化けて顔に泥を塗るシーンで、信繁の姉の松に「面白そう!」といわせるところなど、女性陣の行動が漫画チックです。
そのため、脱出の必死さに欠け、父昌幸が助けに来たときのドラマの盛り上がりが薄まってしまい残念です。

公家出身の母・薫が、家来たちの前で夫に抱きついたりするのも、信濃の女になったとはいえ、この時代の女性ではあり得ないことです。

信繁の祖母とりに、必死であるはずの脱出を「楽しき旅でありました」などと言わせるのは、これから先の描き方が少し思いやられます。

大河ドラマを通して歴史を学ぶという若い世代もいますので、その時代からあまりかけ離れないようにしてほしいものです。

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